2011年1月31日月曜日

「大発見」の思考法


「大発見」の思考法

「大発見」の思考法
iPS細胞 vs. 素粒子
山中伸弥  益川敏英

いやぁ~、面白かった!

iPS細胞がどんな特徴や性質をもった細胞なのか、CP対称性の破れがどういうことなのか、おぼろげながらド素人にもイメージできる気がしました。
ひとえに益川さんと山中さんの分かりやすい説明や楽しい人柄によると思います。
誰もが自然に、科学の世界に引き込まれていく感じがします。

仮説 → 証明の繰り返しの末、駄目と諦めた途端に 新たな仮説(発見)が生まれたり。
予想と全くかけ離れた結果が出たことにビックリして、それが新たな発見につながったり。
やってみなければわからないのは、私たちの社会生活でもそうですね。
そして、ひとつひとつについて とことん追究して とことん考え抜き やりつくすこと、更には、思わぬ結果を素直に受け止めて感じ取る"感受性"を持つことが重要なのだと、思わされます。

挫折するひとは自己分析が足りない と、厳しいことを言う益川さん。
挫折しない秘訣は、自分にできることしかやらない、できる時が来るまで引き出しに入れて温めておくことだそうです。
息の長~いモチベーションを維持していれば、挫折しないのですね。
逆に言うなら、今の失敗も長いスパンでは挫折と捉える必要はないのかもしれません。

本書では、蓮舫議員が事業仕分けの会議で言った有名な台詞「一番じゃなきゃだめなんですか」にも一章を割いています。
この台詞を聞いた誰もが こう思ったことでしょう。一番を狙ったから二番という結果があるんじゃないのかな~、最初から二番三番で良いと思っていたらビリの方だったんじゃないかな~と。
益川さんは更に踏み込んで、今の日本は何番なのか知っているのですか?と言います。
山中さんは一番の意味を、「早く」ではなく 内容の「一番」を目指せと言います。

科学とビジネスの世界は、意外と共通点が多いものと思いました。

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