快慶 と 興福寺仮講堂 |
これだけの人気展で、ボストン美術館など海外から来日している仏像もあるなど貴重な展示であるにも関わらず、奈良国立博物館は比較的空いていてゆっくりと観ることができました。
この点、東京や京都とは段違いで、わざわざ横浜から奈良までやってきた意味がありました。
醍醐寺の弥勒菩薩、ボストン美術館の弥勒菩薩立像など、有名な仏像を次々と観ることができました。
快慶作の仏像は、運慶と異なりたくさん現存していると知りました。
仏様の大きさが小さく、火災などを免れてきたためなのかもしれません。
工房が作り出した作品数が多かっただけかもしれませんが。
と、どうしても運慶と比べてしまいます。
快慶の仏様のお顔は、切れ長の目、ほうれい線あたりの口元に特徴があるように感じました。
興福寺 北円堂 |
本来あるべき配置でお堂内に仏様がおられると、仏教の世界観が全体としてパワーを放っているように感じます。
八部衆の中で阿修羅だけ鎧姿ではなく平服をまとっているのが、際立つ個性と感じました。
直ぐその足で興福寺北円堂を訪れ、運慶の阿弥陀如来、無著菩薩、世親菩薩を観ました。
多分ここは今回が3度目と思いますが、今回もまた無著菩薩立像の素晴らしさに心を奪われ、長い間お堂の中で見入っていました。
お顔の表情、血管や筋肉の描写、優しく深く見つめる目線・・・北円堂に入ってくる風にふわっと衣が舞って揺れそうな感覚がしました。
これが木彫りされた衣であるとは考えられない繊細さです。